きななちゃん物語
きななちゃん
三の章 栗の精霊さんがやって来た(前編)
その7
きななちゃんはビックリしてしまったんですが、周りのカラスノエンドウさんのサヤの中からは「そうだそうだ!」という声がいっせいに聞こえてきました。
それを聞いたカラスノエンドウ君は、「エ〜〜ッ、そうなの?? ウワーッ、恥ずかしいよお〜、どうしよう。ごめんよぉ、きななちゃん」と、見たこともないような変な顔になっていきました。
きななちゃんはあわてて、「ううん、10回に2回ぐらいは同じ音だったし、きなな、それでなんとなく分ってきてたんだよ。チョウチョウさんとかタンチョウヅルさんとか、ブルーミントとか、音楽の言葉もいっぱい覚えたよ。」と、なぐさめようとしたんですが、カラスノエンドウ君は「長調、短調、ブルーノートだよぉ。それに…、それって全然フォローになってないよぉ…きななちゃん。」と言って、ますますムンクの叫びのようなお顔になっていきました。
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