きななちゃん物語
きななちゃん
三の章 栗の精霊さんがやって来た(前編)
その1
きななちゃんは、これまでこんなに速く走ったことはないんじゃないの?というぐらいの速さで走りながら、「でも変だなぁ?」と思いました。というのも大豆の精霊さんたちは、“ピン!”と来る体質なので、誰かがきななちゃんに伝えたいたい用事やなんかがあって、それを強く思ったら、きななちゃんはきっと“ピン!”ときていたはずなんですが、カラスノエンドウ君と遊んでいた時にはそんな“ピン!”を全く感じなかったからです。
きななちゃんは「おかしいなぁ、家族の誰かが、きなながいないと思って早く帰って来いとか思ったら分るはずなのに?何も感じなかったよ!ということは、きなながいなくてもイイかってことで晩御飯は始まってるのかなぁ?それともお客さんはまだ来ていないのかなぁ?」、、というようなことを、走って酸欠気味な頭の中でボンヤリ考えながら大豆畑の横の道を走っていきました。
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