きななちゃん物語
きななちゃん
三の章 栗の精霊さんがやって来た(前編)
その1
カラスノエンドウ君は「それはいいかも」っと少しだけ明るい顔になったんですが、きななちゃんは「お家に帰ったら」という言葉を聞いたとたんにフリーズというか、体温が2度下がったような気になって一瞬ピタッっと止まってしまいました。
というのも、その朝ぜんざざじいさんから「今日は、京の都という遠い所から、大切なお客さんがおみえになるんでなぁ、夕食も一緒に食べることになっとるから、きななもなるべく早くお家に帰ってくるんじゃぞ!」と言われていたのを思い出したからなんですが…。
あたりはもう、お日さまもほぼ完全に沈みかけで薄暗くなってきていて、ウェン・ザ・ナイトが近づいて来ていました。
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